老人性うつへの対策は、施設での取り組みだけでは完璧とは言えないということがだんだんと知られるようになってきました。老人性うつの診断を受けている高齢者の容態改善を目指すときにも、老人性うつの懸念がある高齢者の介護をするときにも、施設の介護士がどれだけ努力しても効果があまり上がらないことがあります。利用者にとって介護士は赤の他人なので、本当に気持ちを理解してくれる人だと考えてもらうのが難しいからです。心を開いてくれるような余裕のある高齢者は、あまり老人性うつにならない傾向があります。もともと閉塞的な性格を持っていた人も老人性うつになりやすく、心を開いてくれないのが問題になりがちです。
このようなケースの打開策として重要なのが、高齢者の家族との対話です。介護士が家族と対話し、家族間のコミュニケーションが重要な状況だと理解してもらうと改善につながります。通所介護や訪問介護の場合には、家族とのコミュニケーションを促すだけで老人性うつを克服できることすらあります。家族と接している時間が長い介護の仕方だからです。入所介護ではあまり意味がないのではないかと思うかもしれませんが、時々家族が訪問してくれたときに一気に気分が晴れるようになることも珍しくありません。家族に理解を促すのは介護士にとって容易ではないこともあります。しかし、老人性うつになると本人も家族も苦しむことになるので、対話の機会を作って諭すことが大切です。老人性うつの対策は『http://mentalcare-elderly.com』からも学んで、より良い介護に活かしましょう。